愛の重さ

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「いい年上の大人が止めてくれませんか?」   「君は黙っててくれよ。今鈴葉と二人で話してるんだ。」 両者一歩も譲らず側に居る鈴葉はあたふたするばかり。 「二人共止めて。言い争わないで、ね、、」 鈴葉は一触即発になろうとしている隼人と弘道の間に入り隼人の胸を押して弘道から引き離した。 ───順番に話するつもりだったけどそうもいかなそうだな。今日の所は二人には申し訳無いけど帰って貰おう。 そして隼人の胸を押していた手を引っ込めようとした時いきなりその手をガシッと掴まれ気付いた頃には鈴葉の唇は隼人に捕まってしまっていた。 「んっ、、」 ───ちょっと、いきなり何してるのっ!? 力強い腕は逆らう鈴葉を逃がさないどころか隼人の舌は深く奥を目がけて絡んでくる。 ───直ぐそこには弘道さんが居るのに。 動揺する鈴葉だがそんな事など構わずにまるで隼人は弘道にこの濃厚なキスを見せつけるかの様になかなか離れようとしない。 キスの合間に隼人はチラリと弘道に目をやると目を合わせずらそうにしながら、でもその二人の方を向いている。 「…ぷはっ…。もっと近くで見学しなくて良いんですか?」 「なっ、、」 弘道に煽る様にそう発すると一度離した鈴葉の唇を再び塞ぎ濃厚なキスの続きを見せ付ける。 しびれを切らした弘道は居心地の悪さに立ち上がりキスをする二人を通り過ぎたその時。 「待って下さいよ。」 「は?」 隼人の呼びかけに振り向く弘道。   「彼女。俺の前ではこんな顔になるんです。」 「っ、、」 「です。」 隼人は自分から鈴葉を少し引き離しクイッと顎を掴んで弘道に見せた。 「貴方にはこんな顔させられ無かったんじゃ無いですか?」 「人を馬鹿にするのもいい加減にしろっ。」   弘道は最後そう吐き捨ててカツカツと早歩きで外に出て行ってしまったのだった。  
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