愛の重さ

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隼人が帰り鈴葉も帰宅して部屋に入るとリビングの床にへたりと座り込み先程あった三人での出来事を思い返していた。 ───弘道さん。久保山君にあんな風な言い方されて今頃どう思ってるかな。それに何より私が久保山君で満たされてる顔を久保山君自身から見せ付けられてる訳で…。あぁ、頭ぐちゃぐちゃだ。    弘道を気に掛ける鈴葉だが一方で隼人に触れられた感触の残る唇や火照る体がなかなか収まりきらずにいる自分にも既に気が付いている。 ───だけどこの正直な体はやっぱり久保山君を少しだって忘れてなんか無い。久保山君の柔らかい唇。私に触れる大きな手。見た目のチャラい男とは程遠い一途な想い。それを全て私は知ってしまった。体だけの関係だと割り切るつもりが久保山君を知れば知る程私も貴方を好きになってしまった。体だけの関係とか親友の好きな人だからと散々遠回りして来たけれどいい加減気持ちに蓋をするのは止めにしよう。 私は久保山隼人が好きだ。 そしてはっきりと分かった。弘道さんは私の中で過去の人…単に情が一人歩きしていただけなんだと。 鈴葉の中で彷徨いバラバラになっていた想いが嘘のようにストンと腹に落ちた瞬間だった。 ──────────
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