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「私が萌絵に話した事を、あなたにも話すわね。
今の時代、私達は男も女もない平等な社会に生きている。
日本に根付いた、女だからこうしなきゃダメとか、男子たるものこうじゃなきゃダメとか、そんな思想はグローバルな世界には関係ないし通用しないという事。
萌絵に関しては、そういう日本的な考えを捨ててほしいと思ってる。
彼女がやり続けてきた事は、たくさんの人から評価されて今でも求められているから。
でも、謙人にとってはちょっと酷かもね。
だって、凪のとこの舞衣だって、映司のとこの咲子ちゃんだって、そういう生き甲斐となる仕事があったわけじゃない。
だから、自由に心の赴くままに動く事ができた。
でも、萌絵は違う。
彼女にどちらかを選ばすとかそんな馬鹿な事をさせちゃダメよ」
「そんな事分かってるし、させるつもりもないよ…」
それはちゃんと心得ている。
萌絵のボランティアで頑張っていた頃の話をする時の目は、光り輝いている。
「じゃ、もう決まりね」
「え? 何が?」
ソフィアはちょっと怒ったような口調になる。
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