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「謙人…
あなたの仕事は? 東京じゃなきゃできない仕事?
パソコンさえあれば地球の果てでもできる仕事よね?
映司が、謙人は自由な生活が送れる東京から離れられない人間なんだって言ってたけど、今もそうなの?」
また質問のオンパレードだ。
「そんな事ないよ…
今の俺は全然そんな事ない…」
「あなたが萌絵と離れたくないのなら、あなたがドイツかポーランドに来るしかないわね。
動ける方が合わせなきゃ、それが平等というものよ」
「その通りだと思う…」
謙人の頭は靄が晴れたみたいに、少しずつクリアになっていく。
そうしたいと思っていたのに、どうして素直にそう思わなかったのか…
「それを聞いて安心した。
あなたがずっと感じて生きてきた自由は偽物だったっていう事。
萌絵と出会って、完璧で永遠の自由を手に入れた。
じゃ、後は自分で考えて」
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