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謙人はソフィアの竹で割ったような性格が大好きだった。
それがEOCで働き続ける理由だ。
「萌絵のエアの日程と時間は後でメッセージで送っておくから。
萌絵の向こうでの住まいも、まだ、どこって決めてるわけじゃないから、それに関してはあなたに一任する。
そんな風邪で寝込んでる場合じゃないわよ。
さっさと動かなきゃ、あっという間に時間も萌絵もいなくなっちゃうからね」
「了解…
それと、ソフィア… ありがとう」
謙人はさっきのソフィアの言葉を思い出していた。
凪や映司はどうかは知らないけれど、自分に関しては、ソフィアは絶対に恋のキューピットだ、間違いない。
謙人は電話を終えスマホをソファへ投げた。
顔を洗い、冷えたミネラルウォーターを一気に飲み干す。
そして、パソコンに向かい、ドイツ行きのエアチケットの予約を入れる。
窓から差し込む朝の光は、きっと、二人の未来を照らし出している。
もう、希望しか見えない。
謙人は、生まれて初めて、心も身体も全てが満たされているそんな気分だった。
自分の未来なんて考えた事がなかった。
でも、今は、確実に見える。
二つの未来が一つになることを。
現在も未来も、そして、永遠に萌絵を愛していく。
きっと、そのために自分は生まれてきたのだから。
the end
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