プロローグ

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「お楽しみ会係とか」 「ちょこっとボランティア係」 「プリント配布」 「学級文庫整理係その二」 そうだっ! ひらめきは突然やってきた。 「六年五組バースデー係、どうかな?」 みんな呆気にとられたような顔してる。 でもなんとなく、無理やりにみんなを頷かせてまとめた。じゃ、これでいいよね? ……とまあこういうわけ。 「ヒーローだよ玲子ちゃん。いや、女子だからヒロインか」 「そんなすごいことしてないよ」 「したよ〜。めっちゃ神だよ〜。意味不な集団を一つにまとめるって超ムズイでしょ?」 「たしかに意味不なのは意味不だけど」 「ね?やっぱ玲子ちゃんは何も考えてなさそうに見えて神的な行動するんだもん」 いやいくらなんでも褒めすぎでしょ。って今一つ余計なこと言ってません? 相変わらずニコニコとスキップしそうな勢いで異常に楽しそうな萌音を横目に、私は日が落ちていくアスファルトを見つめる。 これからこの集団でどうにか係活動、できるかなあ。でもまあ、週一だから適当でもいいんだけど、なんかちょっと楽しみにしてる自分がいる。 って言ったって結局、そんな気楽にはいかなかったんだ。それについては、X係の活動第一回から始まるんだけど……。
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