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例えばA子ちゃんの誕生日は、B子ちゃんが彼氏に振られた日であってもおかしくないし、C子ちゃんがテストで0点取った日も、D子ちゃんにとっては全国模試一位!わーい!的な日かもしれないわけで。
んん⁉︎なんかどんどん、諫山くんっぽくなってない?
いやいや、それはさておき。私、とりあえず誕生日について語らせていただきました!
そんなことやってる間に(全て私の頭の中の討論です)、つまらない学級会が終わりを迎えようとしていた。どんな内容だったんだろ。……まいっか。そんな大事なこと言ってないっしょ。
「それではこれで第ニ回学級会を終わります。次に係活動始めます。各係ごとに集まって話し合いを始めてください」
よく通る藤乃さんの声を合図に、私はすぐにバースデー係の人を集めた。
諫山くんと高松さんと、渋谷はどっか行ったけど真面目にやらない奴はほっとくとして。
「えーと今日は活動内容考えます……意見ある人」
し───ん。
「とりあえず、クラスの人の誕生日くらいは知っておいた方がいいよね」
し───ん。
な、何この二人。表情一つ変えないで置物の真似?あのーこっち見えてますか?
……無反応……。
あぁあ、もういいや……。
「じゃあ聞いてきます誕生日。名簿先生にもらってくる〜」
「ちょっと待て」
ひやぁっ、動いたあ。急に動くからびっくりしましたよ〜。ほい、なんでしょう諫山くん。
「後ろ、自己紹介カードがあるじゃないか」
ほんとだっ。そうでしたっ、思いのほかラクかも!
後ろ黒板に貼られた自己紹介カード。好きな食べ物とか、好きな教科とかの項目が何個かある、新学期初日に書かされたやつ。
私は先生から名簿をもらい、自己紹介カードに書いてある誕生日をメモし始めた。
芦原華蓮……9月22日
諫山律……1月28日
へえ諫山くんて思ってたより遅生まれなんだね。ってそんなこと言ってる場合か。できるだけ早く終わらせちゃおう〜。
ふと後ろを確認すると、高松さんがそっとこっちを伺ってる。
「あ、あのう……お手伝いしましょうか……」
そんなこわごわ言わないでよ。私ってそんなに怖い人に見えるのかなあ?あ、でも手伝ってくれるなら大歓迎。ありがとう高松さん。
「じゃあ、誕生日読んでくれる?私が名簿に書くから」
「わかりました。大原さんの次からですよね。えっと、菅野さんが8月7日」
はい、菅野さん8月7日。
「木ノ崎くんが10月15日」
はい、木ノ崎くん10月15日。オッケーです。
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