第一話

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第一話

ド性癖が服を着て告ってきたら、どうする? そんなミラクルが今ここで起こっている。 「未羽、好きだよ」 世の女性たちがそろって昏倒するような美顔が、 高級スーツに身を包んで、 社長の看板ひっさげて、 未羽に告白した。 未羽は思わず顔に熱が溜まってしまう。 (高身長、美顔に、スーツ社長設定! どれも私のド性癖3拍子特盛ストライクなんですけど! こ、こんなことある?!) 「未羽」 (ひぃいい、しかもものっそいイケボ?! 設定盛り過ぎじゃない?? こここんな人本当に世の中に存在したんだ?! や、ヤバイ萌え過ぎる萌ハゲる! は、鼻血が出、出そ) 未羽の興奮過多により鼻の奥の血流が増量! 噴き出そう!と鼻を覆った次の瞬間。 鼻血噴いたのは社長だった。 「ブッハ!!テレ顔刺激強すぎ、もうムリ!」 「ソッチが鼻血噴くの?!」 鼻血は虹のような放物線を描いた。 鼻血噴射して後ろに昏倒した社長を、 黒子に扮した社員たちが無言で支えてスムーズに回収していく。 何その連携プレー。 石田未羽、新卒入社初日。 ド性癖特盛社長に告られました。
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