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大体、そんなの俺だってよくわかってねぇんだよ。
別にペットじゃなくてもなんでもよかった。でも、他に思いつかなかったんだ。
告白してきてんのにダチとか無理だし、舎弟も無理だ。
俺も舎弟の奴らも3年とかよその学校の奴としょっちゅう殴り合いのケンカするのに、こんな弱そうな奴を巻き込みたくない。
むしろ人質に取られそうだし。
『彼女』は……まず女じゃねぇし。
じゃあ『彼氏』……ちげーだろ、これは絶対ちげーだろ。
だから『ペット』。
ていうか、ただこいつを俺のそばに置いておきたい。そう思っただけだ。
でもそれを今こいつに言うのは、なんか違う気がした。
そしてまた、あの言葉が聞きたいと思った。
「遊」
「はい?」
「昨日みたいに言えよ。俺のことをどう思ってんのか」
なんでだろう。
「……え?」
「言え」
俺はまた、遊に手を伸ばした。困ったように俺を見つめて、ためらいがちに口ごもっている柔らかな頬を撫でたら、遊は目を閉じた。
「きみのことが、すき……です……」
触れた頬から、遊の体温があがっていくのを感じた。
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