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本日は、私も冬野もお互い外からの、直帰予定なので、
冬野が言う"いい店"に現地集合。
待ち合わせの午後8時に、ほんの少し遅れてしまった。
「冬野、ごめん!
電車乗り過ごしてしまって」
帰りの電車内の暖房が気持ち良くて、ちょっとうとうととして、降りる予定だった駅を乗り過ごしてしまった。
目が覚めて、慌てて降りた駅の駅員さんに事情を話して、折り返しの電車に乗り込むと、遅刻する事を冬野にLINEはしていたけど。
「べつに、いいよ。
10分ぐらいだし。俺もギリギリだったから」
特に冬野は私の遅刻に対して機嫌を損ねる事もなく。
それどころか、ちょっと笑顔なんか浮かべていて、このお店、よっぽど美味しいお店なのかな?と期待する。
なにせ、日本だけじゃなく世界でも有名なラグジュアリーホテルの代表格である、グレースホテル内部にある、このお店。
店員さんに通された席は、半個室になっていて、
私は着ていたコートを脱ぐと、先に来ている冬野と同じように、ハンガーでコートを壁に掛けた。
冬野は、コートだけじゃなく、スーツのジャケットも下に重ねて掛けている。
それを見て、私もスーツのジャケットを脱いだ。
そして、冬野の向かいの席に腰を下ろすと、なんだか緊張して来た。
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