1465人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺も、大切な人間以外はどうなってもいいと思うたちだから、
夏村さんの考え方はとても共感するよ。
大切な家族の為に、どうでもいい男を掴まえてちょっと不幸にしてもいいか、って。
冬野君は好きだから、そうは出来ない」
そうやって客観的に聞くと、私の考えって、その不幸にされる男性が本当に可哀想だな。
「分かりました。
私は一生独身で居ます。
別に、母や弟と妹達が居るから寂しくなんてないですし」
もっと、仕事頑張ろう。
私が病気で働けなくなる可能性も考えて、保険も見直そう。
「夏村さんがそうやって独身で。
そのうち、冬野君が結婚して幸せそうな姿を横目で見ながら。
後悔しない?」
例えばの話なのに。
胸がギュッと潰されたように痛くて、なんだか切ない。
「凄く辛いかもしれませんが、後悔はしないです。
冬野が幸せそうなら」
好きだから、冬野には幸せになって貰いたいな。
「夏村さんって、なんでも自分でそうやって決めちゃうんだろうけど。
相手の気持ちとか考えてる?考えてたら、そんな考えにならないよ」
「相手の気持ち…」
それは、冬野の気持ち?
それだけじゃなく、みんなの気持ち…。
最初のコメントを投稿しよう!