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「俺も、まだ会社が小さい頃は、自分で営業してたからね」
この人が一人であの会社を作り、あれほど大きくしたのだった。
やっぱり、凄い人なのだろうな。
「冬野君、彼はかなりやり手の営業マンだから。
夏村さんの事も絶対に自分のものにするだろうね?
既に、夏村さんは冬野君の手の中かもよ?」
「え…それって」
どう言う意味ですか?と、訊こうとしたら、
部屋にチャイムの音が鳴る。
ルームサービスか何かだろうか?
「やっと来た」
岡崎社長は扉の方へと行き、その扉を開ける。
扉を開いて現れたのは、ずっと会いたくて好きでたまらない、冬野の姿。
なんだか、愛しさが込み上げて目に涙が浮かんでくる。
「夏村、あの、俺はお前が好きで。
そりゃあ、俺が社長に勝てるわけないって分かってるけど。
けど」
冬野の言ってる社長がどうとか、
その前に、なんで冬野が此処に来たのかも分からないけど。
でも、今なら言えそう。
今じゃなきゃ、もう言えない。
「私、冬野が好き」
その言葉に、冬野は、え、と漏らし、今まで見た事がないくらいに驚いている。
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