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「夏村さん、もうすぐ誕生日でしょ? この部屋と、これから起きる一生忘れられないくらい素敵な時間は、俺からの誕生日プレゼント」 岡崎社長は、私に笑顔を向けてくれる。 「岡崎社長、私の誕生日ご存知なのですか?」 「もちろん!社員全員の誕生日は覚えてる」 「社員全員?!それは凄いです!」 そう驚く私に、岡崎社長は吹き出すように笑う。 「夏村さん、本当にすぐ騙されるね? そんなの覚えられるわけないよ。 うちの会社の女の子で夏村さんが二番目に俺のタイプだったから、ぼんやり覚えてただけ。 ほら?最終面接の時の書類だったかな? 5月の中旬だったな、って」 私は、岡崎社長の二番目…。 どこかで、なんか聞いた事あるような…。 「岡崎社長、あの一体どういう事ですか?」 冬野も私と同じなのか、今の状況がいまいち飲み込めていない。 そうやって訊いたのは冬野なのに、岡崎社長は私に説明するように話し出す。 「実は、さっき冬野君に電話してて。 夏村さんと今夜グレースホテルの2707号室で素敵な時間を過ごすつもりだ、って。 それが嫌なら、邪魔しに来たら?って」 岡崎社長がいつ冬野に電話を…と思い返すと。 接待の後、あけぼし商事の浅村会長が去ってから、電話だと岡崎社長は私と高田君から離れた。
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