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「まあ、俺はもうお役御免かな?
二人が上手く行くように後押しして欲しいって、頼まれてて。
それは、恩を売っても損はない相手だったから。
ねぇ、冬野君?」
その岡崎社長の意味深な言い方。
その恩を売っても損はない相手を、冬野は知っているのだろうか?
「岡崎社長が、またあの人に余計な事を言ったんでしょ?」
冬野のその言葉に、岡崎社長はそれを認めるようにアハハと笑っている。
「じゃあ、ごゆっくり」
岡崎社長はそう言って、私の耳元で、
「恋愛は手の内を全て見せた方が負けだから」
そうこっそり言うと、部屋から出て行った。
岡崎社長が出て行くと、部屋は妙にしんと静まり返って。
なんだか、気まずい。
つい先程、私は冬野に告白したものの、この先どうしよう…。
やはり、付き合うとかそういう流れになるのだろうか?
いや、でも、私には養わないといけない家族が居て、
やはり冬野の事を思うならば、身を引いた方がいいのだろうか…。
でも、やっぱり冬野を諦めたくない。
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