4

22/24
前へ
/96ページ
次へ
「まあ、俺はもうお役御免かな? 二人が上手く行くように後押しして欲しいって、頼まれてて。 それは、恩を売っても損はない相手だったから。 ねぇ、冬野君?」 その岡崎社長の意味深な言い方。 その恩を売っても損はない相手を、冬野は知っているのだろうか? 「岡崎社長が、またあの人に余計な事を言ったんでしょ?」 冬野のその言葉に、岡崎社長はそれを認めるようにアハハと笑っている。 「じゃあ、ごゆっくり」 岡崎社長はそう言って、私の耳元で、 「恋愛は手の内を全て見せた方が負けだから」 そうこっそり言うと、部屋から出て行った。 岡崎社長が出て行くと、部屋は妙にしんと静まり返って。 なんだか、気まずい。 つい先程、私は冬野に告白したものの、この先どうしよう…。 やはり、付き合うとかそういう流れになるのだろうか? いや、でも、私には養わないといけない家族が居て、 やはり冬野の事を思うならば、身を引いた方がいいのだろうか…。 でも、やっぱり冬野を諦めたくない。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1464人が本棚に入れています
本棚に追加