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とりあえずの生中で乾杯して暫くすると、テーブルの上には沢山の料理が並んで行く。
一番初めに、ローストビーフに箸をつけた。
専用のタレが入った小皿に、洋風わさびを溶かして、霜の降るお肉を口に運ぶ。
それは、口の中で溶けるように解れて行く。
「私、こんな霜の降ったローストビーフ初めて食べた」
赤身のローストビーフとはまた違い、とてもジューシー。
「実は、俺も今日初めて来た店なんだけど。
この店、社長のオススメで、特にローストビーフが絶品だって」
冬野もローストビーフを口に運んで、満足そうに頷いている。
いい店を見付けたとか言うから、何度か冬野は来ているお店かと思ったけど。
そうじゃないのか。
そういえば、冬野はうちの社長とそこそこ仲が良いと前に言っていたな。
冬野と社長はゲーム仲間らしい。
「このローストビーフ、一切れで三千円くらいするんだろうな?」
そう、ポツリと溢された冬野の言葉に、ドキっとする。
一皿じゃなく、一切れが三千円?
「え、このお店そんなに高いの?!」
財布の中、1万5千円くらいしか入ってないのもそうだけど、
いくら勝負に負けたからって、そんなに奢れない!
「ズバ抜けて高いのは、このローストビーフだけだから心配すんなって」
冬野はそう言うけど、このローストビーフだけで予算オーバーじゃないだろうか?
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