仕組まれていた

1/1
28人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ

仕組まれていた

茂川は言った。「この事件が仕組まれていたってことなのか!鈴木恭子さん近藤真美子先生と三好一郎二人を桜瞳が会わせる事から話してもらえませんか?調べてくださったんですよね?」  鈴木恭子は言った。「私のせいなんです。私のせいで近藤真美子先生と三好一郎が会うきっかけを作ってしまった。桜瞳と立花春美に利用されているとも知らないで。。私は〜」  茂川は言った「どういう事なんですか?恭子 さんあなた桜瞳さんと知り合いだったんですか?」  鈴木恭子は言った「違います。私が知り合いだったのは整形した後の立花春美の方です。 二人は私の事も利用しようとしたのでしょう。 数年前の事です。私は今と同じように主婦の傍ら誰にも言わずに警察と連携して秘密捜査官をしていました。  ある日私は、近所のママ友からお茶会に誘われました。私はそのお茶会で初めて知り合ったんです。立花春美は〜近所に越してきたと言っていました。  そして立花春美はカウンセリングの先生だと言ってそのお茶会に出席した人一人ずつ個別に悩みを聞いていたんです。  その時に皆さん職業を喋ったと言っていました。  私もつい秘密捜査官だと話してしまったんです。  立花春美は利用できそうな人をお茶会で選別していたんです。  その日から立花春美は私に話しかけて来るようになりました。  友達が少ない私にとってそれはとても嬉しい事でした。  そして私は利用されるとも知らずにお互いの家を行き来する仲になっていったんです。  ある日私は、立花春美に頼まれました。  近藤真美子先生と三好一郎さんをさりげなく会わせることはできないか?と一度でいいからあの二人をデートさせてあげたいそう言いました。  勿論私は断りました。一郎さんが結婚している事は知っていましたから。  それにデートに発展するのかわかりませんからね。  でも立花春美は近藤先生も三好一郎さんも一度デートすればお互い家庭に戻ると約束してくれた。そう言ったのです。   私は三好一郎さんの事は家が近いのでよく知っていました。  私は二人の共通の趣味はないのかと調べました。  すると二人は、美術館に行くことが趣味だということがわかったので私は一郎さんに美術館のチケットを二枚渡して誰かと行って来たら?一度だけの思い出にそう言いました。   三好一郎さんが奥さんと行く事を願って。  でも一郎さんが誘った相手は近藤真美子先生だった。 私は一度だけのデートだと二人とも大人だからわかっているはずそう思っていました。  ところが立花春美はその後も二人をデートさせるにはどうしたらいいか?私に相談してきました。  私はその都度断りましたが、せっかくできたママ友に嫌われたくなかった。  だから私は立花春美の言う通り一郎さんと近藤先生をデートをさせるように美術館のチケットを一郎さんに何回も渡したんです。  そのチケットの費用は全て立花春美から出ています。私は立花春美から二人の親友だと聞かされていました。  でも、実際は違った〜立花春美にとって一郎 さんはただの復讐相手そして近藤先生と私はその復讐を成し遂げる為のただの駒にすぎなかったんです。  二人は結婚している身でありながら心に秘めていた思いがどんどん膨らんでいきもう後戻りができない状態になっていった。   二人とも自分の気持ちを抑えていた筈なのにその二人の気持ちを私が開けてしまったんです。  互いに二人は近所でも会うようになって行った。   近藤先生はご主人が転勤していたので見つかる事はありませんでした。  でも、一郎さんは不倫が奥さんにばれて奥さんは家から出て行ってしまったのです。 一郎さんは自分で撒いたたねだったんですが家で荒れていたと政夫君から聞いています。 政夫君もお母さんが突然家から出て行った事で相当なショックだったと思われます。  そして三好夫婦は正式に離婚してしまったんです。   私のせいで政夫君にも悲しい思いをさせた事は本当に申し訳なかったと思っています。  でも、立花春美と桜瞳が三好一郎に仕掛けた復讐はまだスタートの段階だったんです。  たぶん臨に政夫君が相談した内容とこれから私が話す事は同じだと思います」   鈴木臨は言った「それじゃあ保険の桜瞳先生が政夫の家に毎日来て誘惑して困るって言う相談?仕事を辞めてフリーのカメラマンになるって話し?」   鈴木恭子は話し始めた「そうよ。桜瞳はどうしても一郎を誘惑して自分の思い通りに動いてもらう兵隊にしたかった。そして犯人に仕立てあげたかった。全ては桜瞳が書いたシナリオ通りに事件を起こさせる為に〜」  小池 田口 茂川は初めから全て桜瞳と立花春美二人が考えた事だったのか〜。   茂川は鈴木恭子に聞いた「じゃあもしかして野上先輩を殺害した犯人は?」   鈴木恭子は言った「そうです。もうわかりましたか?立花春美が高校の時からずっとつきあっていた彼です。今は刑事ですが〜」 茂川 田口 小池 臨は静かに鈴木恭子の方をじっと見ていた。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!