10年前

1/1
前へ
/62ページ
次へ

10年前

「僕はね10年前まだ2年生の時に「緑ヶ丘高校」の生徒だったんだ。そう、今の政夫と同じ普通の高校生だったんだ。  でも、そんな普通の生活が変わってしまう事が起きたんだよ。一番の親友の千駄木光一と些細な事で喧嘩になってしまった。そして、僕は初めて親友と殴り合いの喧嘩をしたんだ。それが成宮刑事だよ。  僕達の殴り合いの喧嘩の時、たまたま近くを通った野上刑事の娘の野上洋子とぶつかってしまってね。可哀想な事をしたよ野上刑事の娘さんを僕達の身体がぶつかったせいで階段から落ちてしまったんだからね。  僕達は震えたよ。どうしよう警察にって考えた。この事を目撃した人がもう一人いたそれが「音無薫子」だった。音無は僕にこう言ったんだ。「私に任せて私ね人を殺したいとずっと前から思っていたの」そう言ってとどめを刺すように音無薫子は野上刑事の娘さんを持っていたカッターで野上久美子のお腹を刺したんだ。」そしてもう一人目撃者がいたそれが立花春美さんの歳が離れたお姉さんだった。  警察に行くという立花を僕達は捕まえて学校で殺害し、学校に火をつけたこれが全ての始まりだった。僕は火をつけるだけじゃダメだ僕達の犯行だという事がバレてしまう成宮も そうだなと言って僕達は朝早く部活に来ている生徒を無差別に殺害したんだ」  政夫は言った。「じゃあ野上刑事と田中刑事が撃たれたのは?」 冠城は言った「成宮から聞いたよ。野上刑事がパトカーの中で言ったそうだよ。成宮刑事〜娘が通ってた緑ヶ丘高校で成宮刑事を見かけたような気がするんだが?」と言い出したから焦って撃ったってね。  過去をバラされたくなかったらしいよ。そして目撃した田中刑事も仕方なく撃ったんだよ。 その犯行を音無のせいにする為にね。   政夫は言った「先生、僕は逃げながらいつも学校の側にいました。初めは先生が僕を気にかけてくれていると思っていました。それなのに先生は僕の携帯に森君が政夫の事を呼んでいるから行ってやってくれとか青羽が呼んでるから行ってやってくれ、赤坂が呼んでるからここに行ってやってくれといつも僕にいいましたよね?僕が行くとみんなこう言った「お前だったのか?犯人は?」って先生は僕の名前で学校に呼び出して学校の生徒を殺害したんですね。  僕が会いに行った後に。それに僕は先生からナイフを渡された事もあった、ナイフはマジックのおもちゃだから会いに行ったらその生徒は本気で逃げるから思いっきりそのナイフで刺すんだよ。そこを一郎さんに写真で収めてもらえばスクープが取れる。そう言いましたね。  でもそれは本物のナイフで僕は小峠君を刺してしまった。殺してしまいました。  何故?先生はこんなに次々と生徒を殺せるんですか?何で僕の名前を使って呼び出したんですか?  冠城は言った「政夫は人気があるからな。みんな政夫だと聞けば危ない学校にも来るんだよ」 更に冠城は言った。「初めは鈴木臨を犯人にしようと思ったんだけどあいつは意外としっかりしてる。だから三好政夫を犯人にしようと毎日僕達は決めていたんだよ。  音無先生も娘の事をバラされたくなければと言ったら協力してくれたしね。  鈴木臨だけは守って欲しいと鈴木恭子が必死だったからね。君が仕掛けた白い手紙がヒントになって事件を起こそうと思ったのさ。僕はね10年前に千駄木真理の姉の千駄木志保を殺害したのさ。  僕は君悪い千駄木が嫌いだっただから虐めて自殺に追い込んだんだよ。  うちのクラスに千駄木の妹が転校してくるとは思わなかったよ。  あの子は私に復讐するつもりだと思った。 千駄木真里を殺したのは多分音無先生だよ。 複雑なロープの仕掛けができるのは音無先生だけだよ。  僕はね千駄木が音無先生の秘密を握っている。そう忠告しただけだよ。 そんな事で殺してくれるとはおもわなかったけどね。」 政夫は言った「先生。もしかして水島君と森君と青井君を殺したのはもしかして?先生が誰かに指示したんですか?」 冠城は言った「そうだよ。あの三人は10年前私が緑ヶ丘高校の事件に関係している事に気づいてしまったからね。三人は千駄木を虐めてたらしいからな中学時代から。だから誰かに復讐されて殺された事にしたのさ」  冠城はさらに言った「もういいだろう。政夫、君は自分で生徒達を殺した殺人鬼君の字を真似て君の代わりに遺書を書いてきてあげたよ。さあ、この屋上から飛び降りるんだ。入江〜君の出番だよ。もう君しか味方何いなくなったからね。  政夫は「宮田刑事と音無先生と成宮刑事が亡くなったって本当なんですか?」  冠城は言った「あの三人は自殺だよ。罪の重さに耐えられなくなった。もう人は殺せない。あなたの言いなりになるのもつらいそう言ったんだよ。僕は三人を殺せなんて指示は出してない。さあもういいだろう。君はこれからこの屋上から飛び降りて私が近くにこの遺書を置く完璧じゃないか〜これで僕は生徒思いの優しい先生に完璧に戻る事ができるんだからな。さあこっちへ来なさい。入江ここから政夫を突き飛ばすぞ。そっちの手を持ってくれ」 「止めろ!やめてくれ」 政夫が叫んだその時じっと息を潜めていた刑事達が一斉に冠城幸助の前に出てきた。 「冠城幸助無差別殺人事件の実行犯として逮捕する」 たくさんの刑事が冠城を取り押さえ冠城も身動きできない状態になっていた。 冠城幸助は取り押さえられパトカーに乗せられた。 冠城幸助が逮捕されて「埼玉県立南高校」では静かな日常を取り戻せたかのような感じに思えた。 ところがそれから三ヶ月が経った頃  また二年C組の生徒が教室の真ん中で殺されていた。   第二の冠城幸助が誕生したのだと生徒達は考えて震えが止まらなかった。 完
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加