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冠城幸助
冠城は政夫に言った。「何だ〜ばれてしまったんだね。先生はね、この仕事はきついわりには給料が少ないから嫌いだったんだよ。
でもね。うちの両親がね教師だったせいで、
お前にも教師になれなれと煩くてね。
子供なんて好きでもないのに教師になったんだよ。むしろ嫌いなんだよ。だから子供が寄りつくのも正直しんどかったんだ。でも、自分の子供が生まれてしまったら責任を多少は私も感じてるんだよ。
だから教育費はあの女に支払ってた毎月ね。
そして側を通りかかったと言って政夫の家に様子を見に行ったんだよ。
何も知らない政夫は僕に懐いでくれただから
政夫の事がだんだん可愛く思えてきたのは本当だ。
私は政夫に実の父親だと打ち明けられなくてもたまに様子を見に行けたらそれでいいと思って
たんだ。でもあの女は夫と別れて私と結婚するとか言い出したんだよ。私は断った。結婚なんてごめんだね、政夫の事は可愛いと思えてきたけどあの女に初めから愛情なんてなかった。
だから何度も私は言ったんだ。結婚はできない
したくもない。今まで通り援助はするからと、
でもあの女は家を出て一人で私の元に来たんだよ。
いづれ政夫も連れてくるから三人で住みましょうそう言ってね。
私はね、同僚の近藤先生に相談したんだよ。
近藤先生は一郎さんに私達の事を打ち明けてしまってね。あの女を説得するつもりだったらしいけど、説得している時に一郎さんが帰ってきてしまって全てを知ってしまったらしいんだよ。
近藤先生は私の為に何度も三好家に足を運んでくれた私の大切な兵隊さんなんだよ。
それを周りが勝手に一郎さんと近藤先生が不倫をしていると誤解してしまったんだけどね。
めんどくさくなって近藤先生は否定もせずに不倫してるなんて嘘を自分から私の為に言ってくれたんだよ。私と政夫のお母さんが不倫してる事を隠す為にね。
一番先に誤解したのは桜瞳先生と立花春美さんのようだがね。
わざわざ美術館デートまでさせてね。
でも、私はチャンスだと思って近藤先生に
指示をした。誤解を訂正せずに美術館デートをしてほしい。私は政夫のお母さんと昔から付き合っていたんだ。でも、それはただの遊び相手としてねだからあの女とは結婚したくなかった。だからあの女に言ったんだ。私の為に一郎さんと結婚してくれとね。一郎はあの女を本気で好きだったからね。それに妊娠したって言ったから急いで結婚させたんだよ。
でも、あの女は私と別れてくれなかった。
結婚すれば落ち着いてくれると思っていたのに
私はそのままあの女と付き合った。私は怖かった生徒の母親と不倫してるのが私だという事がばれれば、私をみんなが変な目で見る事になってしまうからね。私は生徒思いの優しい先生で完璧な教師というイメージで今まで通ってきたんだからね」
政夫は言った「先生、もしかして近藤先生を殺したのは?もしかして先生は〜僕は近藤先生と仲がいいだけだと思っていました。先生は近藤先生を殺したんですか?」
冠城は言った「そうなんだよ。私の兵隊がね。邪魔になったからね。近藤先生も私は家庭があるからあなたの事はたまに会えるだけでいいんです。そう言ったんだけどやっぱりあの女と同じだったよ。僕に結婚を迫ってきたんだ。夫と別れて僕と結婚したいってね。そしてあの女との事も政夫が僕の子供だという事も学校でバラすってね。だから僕は宮田真澄に相談したんだよ。宮田刑事は僕の為に近藤先生を殺してくれたんだよ。今まで僕の為に人を殺してくれる女はいなかったからね。嬉しかったよ」
政夫は冠城に聞いた「母さんは今、何処にいるんですか?まさか!もう」
冠城は言った「あの女か〜あの女は実にしつこかった。僕の家に入り浸りになってね。僕は政夫の為に帰るように言ったんだよ。でも帰らなかった。妻でもないのに奥さん気取りで邪魔だった
ここであなたを支えるとか言い出してね。
だから政夫の家から僕の家に来た数ヶ月の間僕はイライラしてたんだよ。それでね僕は仕方なく仕方なくだ。政夫のお母さんをこの手で殺してお風呂場でバラバラにして捨てたんだよ」
政夫は言った「じゃあ、母さんはもう〜せ、先生親父の〜兄弟を殺したのも?」
「そうなんだよ。マンションユーチューバー?
馬鹿な奴だよ。俺はあいつにずっと脅されてい
たんだよ。最初に殺した政夫のお母さんをバラバラにして袋に入れてトラックで運ぼうとして居るところを見られてしまってね。写真をばら撒かれたくなければお金を振り込めってね。僕は毎月三十万円も振り込んでいたんだよ。だから彼奴は働かなくてもやっていかれたんだよ」
政夫は更に聞いた。「もしかして、千駄木真理を殺したのも先生?」
冠城は言った「嫌、それは違う俺は政夫だと思って政夫の証拠になるような物を屋上に行って探したんだよ。それに千駄木が屋上から落ちるのを先生も近藤先生も廊下の窓から見てるんだ。先生は政夫が可愛いだから心配だったんだ。千駄木を殺してくれとか政夫は言ってたからな」
「あれは母さんの事を知ってるんじゃないかと思って臨と一緒にわざと言っただけだよ。それに臨も僕も千駄木が目障りだった。正直死んでほしいとさえ思ってたんだ。千駄木はきみが悪くてまるでゾンビのように僕と臨に付き纏ったんだ」
冠城は「そうか、政夫じゃなかったのかならよかった。でも、という事は私以外に殺人鬼がいるという事だ。とするならそいつは私か政夫のどちらかの命を狙っているかもしれないぞ。とにかく気をつけるんだ」
政夫は言った「先生、僕の事を本当に息子だから可愛いと思ってくれていたんですか?嘘ですよね?先生!だって先生は僕が殺人を繰り返す凶悪犯にしたかったんでしょう?凶悪犯にする為にいろいろ父に吹き込んだ。でも父も僕も何もしてない。僕と親父は先生に殺人犯にされるところだったんだからな!僕も親父も今警察から逃げてるんだお前のせいで僕達はやってもない罪で捕まりそうなんだよ。
先生、あなたは屋上に後で行って政夫の証拠がないか?回収する為じゃなくて僕の物を屋上に置きに行ったんですね。僕は先生に懐いてた。
尊敬していただから僕の家にも入れた。
その時なんですしょう?僕の日用品を持ち出したのは。そして、それを屋上に置いたのは」
次の瞬間冠城は言った「そうだよ。みんなは僕の為に動く道具だからね、十年前も悪い噂を流したのは僕だよ。音無先生の娘に嫌がらせをするように三好のお父さんにお金を渡して命令したのはこの私だよ。一郎はカメラマンとして緑ヶ丘高校にやって来た。あの頃君のお父さんはお金が無くて困っていたからね。お金を出したらすぐ引き受けたのさ。それに音無の娘には困ったもんだよ。私に付き纏ってね、だから邪魔になったんだよ。こんなに先生喋ったの久しぶりだよ。
私はあの時、桜瞳と付き合ったばかりなのにだよ。友達の彼を取ろうとするなんて酷い女だよ。
だから、一郎さんにはストーカー役になってもらったんだよ。一郎は辞めたいって言ったんだけどね。多額のお金を渡したから逆らえなかったんだよ」
政夫は言った「じゃあクラスメイトの湊を殺したのは?」
「僕は何も手を下してないよ。ただ弱みを握って田口刑事を利用しただけだよ。BSBの事を話してね。口論になるように仕向けただけ。計画はしっかり練らないとね。
そして湊を殺してもらったんだよ。湊は初め音無先生を疑ってた。でも、途中から私が犯人だと気がついてしまったんだ。だから僕はあの日、
近藤先生と図書室に行ったんだよ。
なんとか隙を見てBSBを盗もうと思ってね。
でも、田口刑事が殺してくれて助かったよ。
みんな僕の為に動いてくれるいい奴だからね。
僕は常に何かあった時の保険として人の弱みを探っていてね。
脅迫してるんだよ。先生達も犯人から脅迫の電話や中庭に来いと連絡があったとか言ってるだろう。それは先生が声を変えて電話して脅迫していたんだよ。初めは近藤先生が邪魔だったからね
それに湊や鳥居や岸生徒達を殺害して政夫に罪を被せようとしたのは私だよ。
生徒達は僕をね脅してくるんだよ。政夫と同じように介護してる母を車の前に車椅子ごと突き出し殺害した事。
黙っておくからお金をくれと要求してきたんだよ。僕はね。警察官の田口刑事と宮田刑事に相談して犯人を判らないようにしてもらったんだよ
でも宮田刑事が言うんだ誰かを犯人にした方がいい僕が犯人だと言う事はバレないってね。
だから僕は可愛がってた政夫を犯人にしようと決めたんだよ。
それに政夫君は一度だけ先生を脅迫したしね。母のことでね。僕はね一度でも裏切った奴が一番許せないんだよ。
先生は政夫の側にいたくて三好クラブを作ったのにね。校長に提案してね。一気に可愛く無くなったよ」
三好は言った。「先生じゃあ次々と学校の生徒を殺害したのは何故なんですか?」
冠城は言った「10年前の心の奥にしまってあった欲望がまたでてしまったんだよ。10年前先生はまだ緑ヶ丘高校の生徒だったんだ。その時〜僕は邪魔になった同じクラスの生徒を誤って殺してしまった。それが10年前の事件の始まりだよ」政夫は冠城の話に衝撃を受けた。
そして冠城は政夫が知らなかった事を次々とはなしはじめた。
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