第一章 なあ、俺と契約を交わせ

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第一章 なあ、俺と契約を交わせ

最上丈一郎は最上総合病院の跡取り息子で天才的外科医である。 俺は三十二歳を迎え、父親の最上総合病院医院長、最上権蔵は結婚しろとうるさく言ってくる。 「お前、独身を貫き通すつもりか」 「そんな事誰も言ってないだろ?めんどくさいんだよ」 「今付き合っている彼女とは結婚しないのか」 「誰の事言ってるのかな、今付き合っている女はいない」 「なんだ、また振られたのか」 「あのな、人聞きの悪い事を言わないでくれ、振られたんじゃなくて自然消滅って言ってくれ」 「なんかよく分からないが、お前についてきてくれる女性はいないのか」 俺はため息をついた。 また、その話かよと嫌気がさす。 俺は医院長室を出て行った。 「おい、話はまだ終わってないぞ」 親父の言葉を聞かず、バタンとドアを閉めた。 女と言うのは、休みになるとデートしろ、仕事から帰ると話に付き合えと、うるさくて仕方ない。 俺は疲れて帰ってくるのに、勘弁してくれ。
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