僕の休日

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朝、僕はいつもと同じ時間に目が覚める。 目が覚めたけど、今日はいつもと違う。 久しぶりの休日だ。 何十日ぶりだろう。 指で数え始めても、途中で分からなくなる。それくらい働きずくめの毎日だった。 働いている時は、気が狂いそうだった。 残業は当たり前。休日出勤や徹夜もあった。 「ブラック企業だな」と愚痴を飛ばす。 それでも踏ん張って、頑張って、やっと一段落ついての休みである。格別だ。 休日、それは普通の出来事なのに、格別だと思ってしまう。おかしな話だ。 僕は何をしようかと考える。 考えた結果、もう少し寝ていたいと思った。 昨日まで、僕の生活は自宅より会社にいる方が長かった。 僕に足りないのは睡眠。そう思ったからだ。 それは、昼になっても続いた。 お昼ごはん食べようかな?けどやめた。 もっと寝たかった。 昨日までの睡眠時間は、1日平均で2時間ぐらいだ。異常だ。 身体も動かしていないし、お腹も空いていない。だからやめた。 夕方になった。僕はまだ寝ていた。 このまま寝続けるのはどうかと思い、僕は起きて、水を1杯飲んだ。水だけど、とても美味しかった。 昨日まで、ご飯は朝昼晩ちゃんと食べていた。 食べていたけど、口に入れるだけで味わってなかった。そんな余裕もなかった。だからゆっくりと味わって飲んだ水がとても美味しく思えた。 僕は寝床に戻った。 「よく寝たな」と思っても、寝床から離れたくなかった。 昨日までは、寝床につきたくてもつけれなかった。それが今、寝床につけている。こんな嬉しい事はない。今の僕にとって、特別な一日だ。 だけど、このままでいいのか? そう思った僕は、スマートフォンを手に持ち、求人検索アプリを開いていた。
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