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僕が12月32日を迎えたのは、中学2年生のころだった。
まだスマートフォンなんてなくて、携帯電話の時代だ。例年よりも雪が多く降り、大みそかも雪が白い膜のように町を包んでいた。
「……いつの間にか寝てたな」
眠い体をベッドから起こして、僕は目をこすった。
大みそかの歌番組の途中で眠くなり、布団に入ってそのまま寝てしまったらしい。
せめて新年に変わる瞬間くらいは起きていたかったが、無理だった。
最近よく眠れていなかったから、疲れがたまっていたのだろう。
お正月の朝はお雑煮を食べないと始まらない。
そう思ってリビングに行くと、なぜか誰もいない。
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