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『ゴロゴロ……ドーン!』
雷の音が爆弾のように響いた。
僕らは膝を抱えて、できるだけ小さくなった。
ことねは昔、自分のまえに雷が落ちたことがトラウマになって、この状況に震えていた。
「きゃっ」
「大丈夫か、ことね」
ことねは首を横にふる。
「こわい。はやくおうちにかえりたい」
それは僕も同じだった。でもことねの前で、かっこつけてしまう。
「おれがそばにいる」
「ほんと?」
「うん。だから心配するな」
「わかった」
『ドーン! ドドーン!』
二発落ちた。
「きゃー」「うわっ」
僕も驚いてことねにくっついた。
僕らは肩を寄せ合う格好になる。そのままことねは僕の手を握った。
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