12月32日

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「ゆうき、ありがとう」 「いいよ、これくらい」 「なんか、見直した」 「うるせーよ」 僕らはさっきからずっと手を握り続けていたことに気づいた。 気まずくなって手を離そうとすると、ことねが 「今日はずっとこうしていたい」 と離すのを拒んだ。 「……仕方ねーな」 口ではそういったが、僕は少し赤くなっていた。 そのまま僕らは雨上がりのアスファルトの上を、手を握りながら歩いた。 その日からずっと、僕はことねを意識していた。ことねもそうだったらいいなと、思った。 けれども、これから先もずっと一緒にいるんだし、想いなんてまだ打ち明けなくてもいいかなとも思った。 だけどこんなにも早く、別れが来るだなんて。
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