俺はクソゲー転生する

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俺はクソゲー転生する

「フッざけんな! 何だこのクソゲーは!?」  俺はコントローラーを振り上げて、おもいっきり床に叩きつけた。 「俺がヒロインだと信じていたキャラクターを、こんな序盤で死なせやがって! 許せん!!」  気持ちが落ち着き、コントローラーを拾うが壊れてボタンが効かなくなっていた。  ゲーム機の電源をオフにすると、画面に映っていたキャラクターの死亡画像が消える。  前評判も良く、事前公開画像で記事になっていたキャラクター達の内、一目惚れした彼女目的に購入を決めていざゲームを始めてみれば、そのキャラクターは序盤の殺られ役だったのだ。  数日はゲームから離れて、コントローラーを買い直して再開したが、本当のヒロイン達は殺られ役のキャラクターから意思を引き継いで強敵に立ち向かい、やがてプレイヤーと良い仲に。  一度ゲームをクリアして、強くてコンティニューが出来るようになり、時間がかかるレベル上げがスムーズになっても、変わらず推しのキャラクターは殺られてしまう。  マルチエンディングなのか、途中で選択肢が追加されて脇役だったキャラクターがヒロインに変わり、ハッピーエンドになったりした。 「やっぱり、クソゲーじゃんかよ」  俺が推したキャラクターはゲーム序盤の根幹なのか、追加されたどの選択肢を選んでも絶対に死ぬ運命だった。  彼女を救う方法は選択肢には存在しない。  プレイヤーがどんなに強くなっても、助けられない悲劇のヒロイン。  俺はそのゲームを売りに行く途中で、交通事故に遇って死んだ。  目が覚めると、俺の体は縮んでいた。  いや、正確には見知らぬ村の子供に生まれ変わっていた。  生活様式は凶悪なモンスターがダンジョンに蔓延る、ファンタジーな剣と魔法の世界。  畑仕事を手伝いながら、この世界の情報をかき集めた結果、俺がクソゲーと決めたゲームの世界に転生していた事が判明した。  それも、ゲームが始まる数年前に。  来る未来ダンジョン都市が崩壊して、殺られ役の彼女が死亡する運命の時、俺がその場に居合わせるには冒険者育成の学園に通う必要がある。  村から離れたダンジョン都市に行く費用と、学園に通い続ける為の生活費を稼がなくてはならない。  裕福ではない村民の親が大金を持っている訳がない。  俺が自力で稼ぐしかないが、手段は限られている。  僅か数年で、その大金を稼げるかは俺のうろ覚えな現代知識とゲーム情報にかかっている。  ダンジョン都市に高額で売られていた食材や薬品の素材、そして調味料をこの村で調達出来れば金稼ぎは可能なはず。  行商人から食材の種や調味料の元を買い付け、森で素材の採取を行い、畑に種蒔きして育てる。  俺の日常は自給自足+資金調達で瞬く間に過ぎ去り、数年が経った。        
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