憧れのあの人と着衣らぶえっち〜年上の御曹司はランジェリー姿の私を溺愛する〜

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「…んう…っ」  レストランを出て手を繋ぎ案内されたカイさんが用意してくれた部屋は、広いリビングとベッドルームに分かれていた。  フロアもかなり上階だったし、絶対高い部屋だと思う。こんなところは無理だと言おうとしたら、すぐに引き寄せられキスをされた。  初めから深いキス。  大きな手が背の高いカイさんを見上げる私の後頭部を支え、背中を支える。その掌は性急に私の身体を這う。コートを床に落とされざっくりしたニットの隙間から熱い掌が直接肌に触れた。その刺激に身体が震える。  差し込まれた舌は口内を蹂躙し無遠慮にまさぐる。何度も出し入れされて舌が絡め取られ吸われ、息が苦しい。 「ん…っ、ま、まって」  グーっと思いっきりカイさんの胸を押してもビクともしない。カイさんはぎゅうっと私を抱きしめて肩に顔を埋めた。 「すまない、…急ぎすぎた」  息の上がった声が耳元を掠めて私の下腹部がきゅんと刺激される。  そうじゃない、そう思ってぎゅっとしがみついた。 「な、何か言うことあるでしょう…」  このままなだれ込む様にベッドに行きたくない。何もはっきりしていないのに。 「もも」  私の言わんとしていることが伝わったのか、甘い声が耳元を掠める。思わずびくっと肩を竦めると、カイさんが顔を覗き込んだ。すぐ近くにカイさんの瞳がある。その瞳には私が映る。 「好きだよ」  意地悪な笑顔でも、眉根を寄せる顔でもなく。 「もも、好きだ」  優しく柔らかく笑うカイさんの表情に、どうしようもなく愛しさが込み上げてきた。 「わ、私も…カイさんが好き。…好きです」  もう一度、チュッと音を立てて唇を啄まれる。安心したような、嬉しいような笑顔で何度も唇を啄まれて、私は視界がじわりと滲んだ。 「カイさん…カイさん」  ぎゅっとしがみついて何度も唇を合わせ、お互いを貪った。 「…はぁっ」  ぷっと唇を離して額を合わせた。息の上がった呼吸を整え、お互いの瞳を覗き込む。 「…もも、…今日は」 「一緒に、泊まるでしょ…?」  私の言葉にぐっと喉を鳴らして目元を赤く染めるその色気に、クラクラする。 「じゃあ、ちょっと待ってて」 「え?」 「…避妊具買ってくる」 「!」  なんの躊躇もなくストレートに言われ、思わず息をのんだ。そんな私を意地悪そうに見つめ口端を上げた。 「泊っていいんだろう? 一緒に寝るだけか?」 「そ、そういう訳じゃ…」 「必要だろ。それとも常備してると思った?」 「そ、うですネ…」 「こら」  カイさんはグイっと私の腰を抱き寄せた。下腹部に硬いものが当てられて思わず身を固くする。 「そういえばさっきも俺に相手がいると思ってたようだったな…相手がいるのにこんなことする訳ないだろう。ももは俺のこと何だと思ってるんだ」 「か、カイさんだって、私にあれくらい平気だろって…」 「ふうん? 平気じゃなかった?」 「当たり前です!」 「俺も平気じゃないよ、もも」  カイさんはちゅ、と音を立ててキスをして、ぎゅうっときつく抱きしめる。 「…待ってて。すぐ戻る」  そう言うと私を振り返りながら、部屋を出ていった。  ど、どうしようどうしよう、どうしよう…!  一人になって、急に自分の置かれている状況が恥ずかしくなった。何をどうするでもなく、ウロウロと室内を歩き回る。  えっと、私今日どんな下着つけてる?  バイト終わりだから何の変哲もないやつだけど、でも…  ちらりと自分のリュックに視線を向ける。  今日は大学で卒業制作のドレスを作ってからバイトに行った。ドレスは私がずっと編み続け刺繍しているレースをたっぷり使ったもので、そのレースの余りで下着を作った。  ブラとショーツに、所謂ベビードール。ちょっとかわいく、でも大人っぽいランジェリー。何ならガーターベルトもある。  夜中まで続く制作に疲れ切り、おかしな深夜テンションで友人たちと始めたものだけど、これが中々いい出来栄えなのだ。  私はそろそろとリュックに近付き中身を取り出し目の前に掲げた。  薄いネイビーのレース地に鮮やかな色の小花を刺しゅうした。大人っぽくするために小花を濃紺の糸で縁取って、我ながら上品に出来たと思ってる。そのレースで、いわゆるノンパテットブラ…スケスケのブラを作ったのだ。ワイヤーも入ってないし下着の機能としてどうなのか、でも可愛いブラだ。  スッケスケだけど。  ショーツも同素材で前しか隠れていない紐パン、Tバック。これもなかなかの出来栄え。  スッケスケだけど。  ガーターベルトはネイビー一色で細く編んだ紐とレースを組み合わせてる。この上にネイビーのレースに裾だけ刺しゅうを施したベビードールを合わせる。胸元にたっぷりとギャザーを寄せうっすらとした透け感が可愛い。  友人は出来上がった自分のランジェリーを彼氏に見せると嬉しそうに持って帰っていたっけ…。  どうしよう、いやでもいきなりこれを着るのはがっつきすぎで引くのでは…?いやでも、そもそもランジェリーメーカーの経営者なら見慣れてるんじゃない?  …色んなモデルさんの下着姿…見てるよね、きっと…。  うわダメだ、私なんかのスタイルじゃとてもじゃないけど見せられない…!! なかったことにしよう!  そう思って取り出した下着をリュックにしまおうとしたら。 「着けないのか?」  振り返るとそこに、壁に寄りかかり腕を組んでいい笑顔でこちらを見るカイさんがいた。
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