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“祝いの会”の後…
他の連中が部屋へ帰り、俺達三人に。
ミィは貰ったプレゼントを自室のテーブルに広げ、嬉しそうに眺めていた。
俺達からのプレゼントも全て、“女の子らしい物”ばかりだ。
シンプルなシルバーの髪留め(俺)。
花をモチーフにした綺麗なイヤリング(司)。
華奢なデザインのブレスレット(晃)。
可愛らしいデザインのスマホケース(匡)。
パステルカラーのカーディガン(豊)。
「全部、付けてみてよ」
「見てみたいなぁ」
奴と二人でテーブル向かいから頬杖をつき…
ミィが言う所の、“甘えたモード”で要求してみた。
“魔王様”と呼ばれてきた上から目線で言うよりも、彼女にはこの方が有効的だ。
この切り口で行った方が、膝枕まで容易にしてくれる。
「分かりました。
ワンピースも、もう一着あるから。
それにも着替えてきます」
アッサリと俺達の要求は通り、可愛い姿を堪能させて貰った。
このコ、チョロ過ぎる。
この後…ミィが風呂へ入った頃合いを見計らったのだろう。
おそらくは自室からだろうが。
「お前達、抜け駆けし過ぎじゃないの?
晃と匡が可哀想に思えるよ」
と、豊の声が聞こえてきた。
「勝負は決まっている」
「今は、ロスタイム状態だろぉ?
い~じゃん、取り敢えずは“四年”を待ってやってんだし」
本来ならば…
爺さんに“勝負あり”の報告をして、当初の話に戻せば良いのだ。
だが…半年足らずで終わらせるのも酷だろう。
それと、もう一つ考えがある。
その考えは豊にもあり、俺と同意見である事を口にした。
「ったく…仕方無いなぁ。
そう言う事に、しておいてあげるよ。
…“元兄達”の件が解決するまでは、このままの方が都合が良いからね」
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