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“元兄達”とは…
ミィを虐待した義父と義兄の事だ。
去勢し記憶を奪い、監視付きで一般社会へ放逐しては居るが…
義兄は完全なる先祖返りの“熊”で、サイコパス。
…里から追放され、失われて久しい脅威の存在。
それ故に…
“何時、義兄が記憶を呼び覚ますか分からない”として。
ミィを保護する目的で暁学園へ入学させ、“特例措置”をとった。
そうやって…彼女を外の世界から隔絶するに至ったのだ。
本来ならば、女子校である“桜学園”に入学させるべきなのだが。
『最悪、奴の記憶が戻れば即、桜学園に来るだろう』
と爺さんの判断で中止。
これは在校生の安全を確保する為の判断でもあったそうだ。
確かに…あんな奴が侵入してきた日には、大惨事となるだろうから。
狐族の医師の催眠により…
“奪った記憶”の安全性が“確信出来る”、と判断されるまでの期間は五年。
それまで何も無ければ、ミィは安心して外の世界で生きていける。
「あと二年」
つい口に出てしまった言葉を聞き、司が俺の顔を見ないまま肘で突いてきた。
「初日は何処に行くか、今から計画しとこうぜ。
そうしたら二年なんて、す～ぐに経っちまわ。だろ？」
「ああ、そうだな…
そうやって、楽しみにしていようか」
…司、ありがとう…
感情表現とか、空気を読んで周囲へ気を配るとか。
俺は、それを全て無視してきたから…
お前が居てくれて、本当に助かっている。
もしも…ミィの為に最も必要なものが、“心の支え”と言うのなら…
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