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彼女の傍に立つのは俺では無く、お前が相応しい。
その時には…潔く身を引こう。
「四年後だが…」
思った事を口にしようとした、その時。
「上がりました」
ミィが風呂場から出て来たので、口をつぐんだ。
「おっかえり~、ジュース飲みなよ」
司はミィへジュースを手渡しに席を立った、その時…
後ろ手で、俺の肩を軽く叩いてきた。
顔を見れば、ジロリと一瞥。
ミィには聞こえない様に、口パクで伝えてきた。
『先の事なんざ、今から聞きたかねぇ。
“四年後までの約束”を破ったら、承知しねぇかんな?』
…本当に、お前は…
“公平と平等”、“正々堂々”を信条とした、清々しい丈夫だと思う。
『悪い。“四年後までは、三人で居る”のだったな』
「モチよ。お前、頭良いクセにさ。
案外、短期記憶保つの苦手なんじゃね?
訓練してやろか?」
「要らん」
意地悪く笑う奴へ、俺も又、同じ顔(多分)をして笑い返した。
「二人共、“魔王様“の顔してますよ?」
ジュースのコップを持ち、向かいの席に座ったミィが困った顔をして笑う。
…ああ、矢張、俺は…君が愛おしくて仕方が無い。
だから、今は…
先の事など考えず、君を只想い、恋焦がれ…寄り添っていよう…
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