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「この候補の中で、どれが良いか匡に助言を受ければ良いな」
話しがまとまり、慎吾は僕が手渡したメモを手に取った。
「で、誰が相談する?」
一番のキモは、それだと思うんだよね。
それを僕が口に出すなり、慎吾を含む皆が固まった。
「…アミダくじ、しようか?」
慎吾にしては消極的で、小さな声。
「立候補とか、無いの?」
慎吾を含め、隊員の皆は俯いて黙っている。
「どうしたのっ、このままではラチがあかないよっ」
余りにも、士気が低過ぎる。
一体、皆、どうしたのっ。
「…じゃあ、お前、行くか?」
元気無い慎吾が、ボソボソと提案してきた。
「良いよ。早いトコ、どうにかしないといけないんだからね」
隊長が乗り気で無い以上、サブである僕が行くしか無い。
そう、思って。
翌日、登校して来た匡に近付こうとした、瞬間…
「おはよぉ♪」
「あふっ!?」
匡の隣に居る晃が、笑顔で声を掛けて来た。
けれど…その顔が、コワいっ!!
怯んでしまった僕に、晃が迫力満載の笑顔でグイグイと…
「いくら匡がお人好しだからって、何を企んでんの?」
「た、たたっ…」
うぅ…コワいっ!
コワくて、言葉が出ないっ!
慎吾達が乗り気で無かったのは、コレだねっ。
言ってくれないなんて、酷いじゃないかっ。
涙目で訴えたけれど、慎吾含め皆が目を逸らした!?
なに、僕って、もしかして“生け贄”なの!?
「おいおい、止めてやれって。
桂、どした?俺に何か用?」
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