お祝いはダブルで! ~ 司目線 ~

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3月1日、高等部の卒業式があった。 卒業っつ~ても、大学にはエスカレーター式で行く訳だし。 Sクラスで持ち上がるから、顔ぶれは変わんねぇし。 特に、感慨は…俺はねぇけど… 「いやいや、そんっなに泣くなってば」 在校生だが、特殊事情で俺と要の隣に座っているミィ。 が…メッチャ泣いてんだわ。 「う゛ぇぇ…皆さん、おめでどう、ござい゛ま゛ずぅぅ…」 あんまり泣くんで、ハンカチがビシャビシャ。 役に立たなくなっちまった。 で、剛先生が爆笑しながらタオルを配給。 「ずびばせん~」 泣きながらお礼言うとか、礼儀正しいけど、な… 悪ぃけど、メッチャ笑えるわ。 要はと言えば、ずぅぅっと、笑いっぱなし。 で、「よしよし、落ち着け」って、ミィの背中を摩っている。 信者の連中は「御褒美だっっ!!」と、スマホのシャッターをきりっぱ。 晃と匡もメッチャ笑ってるし。 渉叔父さんを含め、教師達もSクラス三年の面々を見て、笑ってる。 今日だけは卒業生の両親が参加してっけど。 うあ…ウチのオヤジ…だけじゃね、理事長席のじ~さんもか。 メッチャ、笑ってる…ってか… ハンカチで顔を隠してっけど、か~さん? アンタも実は、笑ってんな? …いやいや、良く見りゃ。 父兄席の親達、みぃぃ~んな、地味~に、笑ってんぢゃん… 「あ~あ、こんな笑い満載の卒業式って、今まで無かったんじゃね?」 そう、要に言ってみたら。 「ある意味、“感動的”で良いんじゃないか?」 「「ブフォッ!」」 奴のコメントに周囲が吹き出す。 で、更に笑いに拍車が…
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