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よくまあ、今までやってたよな。
大したヤツだぜ、全く。
が…俺の話を聞くなり、マッドはニヤリと。
わ、笑いやがった!?
あ、ヤベ…悪手、打っちまったか!?
「君の“お兄さん”、生真面目だからねぇ。
今後を思えば、同意せざるを得なかったけれど。
それでもこの数はね、身が持たない訳さ。
で、思わないかい?
コレは明らかに“仕事に引っかけて、嫌がらせ”だよねぇ?
それって、あんまりだよねぇ?」
あ…この流れってば、アレだな…
『俺にとって、メッチャ都合悪ぃ』コトってヤツだ…
あ~あ、だから俺は“おっちょこちょい”って…
まあ、口にしちまったモンは、仕方ねぇ。
ココは素直に諦めて、修行の一環として。
ん~でも、歯痒いから、口にしてやンぜっ!
「どっからでも、かかってこいやっ。
こんちくしょうめっ」
「ふふっ、司はとっても素直で可愛いねぇ♪
要も、こうなら良いのに。
では、私のアシスタントの“特典“、先に上げちゃおう♪」
そう言った直後…
マッドのライトグリーンの瞳が煌めいて、顔だけが獣化。
『更に研ぎ澄ませ』
『生きよ。常に、その策を模索せよ』
頭に響く、エコーの掛かった不思議な声。
スッと意識が遠のきかけたが、直ぐに戻った。
コイツも、気付いてやがんのかよ。
“未来を予見した俺の勘”に…
そう思って、マッドの顔を見たら。
「諦めちゃ駄目だよ?
ミィちゃんを哀しませちゃうんだからね?」って。
心からの笑顔で、俺を見た。
その笑顔は、母さんみてぇで…
ああ、そっか。
コイツも“母親”だっけ?
そう思っちまったら…
ココでアシスタントすんのは、利用されちまうんだが。
それが嫌じゃあ、無くなっちまったぜ。
でも、ソイツを口にしちまうのが癪なんだよな。
だから、ひねって言ってやんぜっ。
「へいへい、精々、足掻いてみるコトにしてやんよ。
ソレも、コレも、俺の可愛いミィの為にな」ってな。
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