28人が本棚に入れています
本棚に追加
/407ページ
要が声を掛けると…
剛と司、真澄が衝立の後ろから出て来た。
「大のオジサンを虐めまくってさぁ。
カワイソ~ったら。ねぇ、ミィ?」
司は大笑いし、真澄へ話し掛ける。
「無意味に時間を取られ過ぎても。
お仕事の邪魔になりますから。
あれで正解だと思います」
「クク、すっかり要寄りじゃねぇか。
まあ、奴の話の無駄さについちゃぁ。
ホントの事だしなぁ」
真澄の話を聞いた司は目を伏せ、苦笑した。
(あんだけ“悪戯”しまくってちゃなぁ。
影響、受けまくりだわなぁ。
すっかり“要のもの”になっちまってる…)
「“時間は有限”だが?」
(見せつけたい訳ではない。すまない…)
心情を汲んでいるくせに、要は敢えて厳しい声を掛けた。
「へ~へ~、脱線しまくって、悪うござんしたっ」
(一々、気ぃ遣いやがって。
疲れっちまうぜ?)
双子であるが故に、相手の気持ちを感じ取り…
司はおちゃらけて見せ、ソファーへと座った。
「さてと…“お告げ”といこうか?」
ルビーカラーの瞳が煌めき、要を見据える。
『要注意人物だ』と、浮かんだぜ」
「…時期が時期だけに…」
「“常に監視すべき”だろうね」
口元に手を当て、考え込む要の言葉に渉が続けた。
「Sクラス相当の成績が有るのならば、学校で有るが故に。
認めなければ、“差別”となるからねぇ」
「Sクラス編成の真実は、公表出来ねぇからなぁ。
さて、“代行殿”。如何する?」
「私達は、お前の判断に従うよ」
二人の父親は要へ笑顔を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!