優秀なる問題児

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要が声を掛けると… 剛と司、真澄が衝立の後ろから出て来た。 「大のオジサンを虐めまくってさぁ。 カワイソ~ったら。ねぇ、ミィ?」 司は大笑いし、真澄へ話し掛ける。 「無意味に時間を取られ過ぎても。 お仕事の邪魔になりますから。 あれで正解だと思います」 「クク、すっかり要寄りじゃねぇか。 まあ、奴の話の無駄さについちゃぁ。 ホントの事だしなぁ」 真澄の話を聞いた司は目を伏せ、苦笑した。 (あんだけ“悪戯”しまくってちゃなぁ。 影響、受けまくりだわなぁ。 すっかり“要のもの”になっちまってる…) 「“時間は有限”だが?」 (見せつけたい訳ではない。すまない…) 心情を汲んでいるくせに、要は敢えて厳しい声を掛けた。 「へ~へ~、脱線しまくって、悪うござんしたっ」 (一々、気ぃ遣いやがって。 疲れっちまうぜ?) 双子であるが故に、相手の気持ちを感じ取り… 司はおちゃらけて見せ、ソファーへと座った。 「さてと…“お告げ”といこうか?」 ルビーカラーの瞳が煌めき、要を見据える。 『要注意人物だ』と、浮かんだぜ」 「…時期が時期だけに…」 「“常に監視すべき”だろうね」 口元に手を当て、考え込む要の言葉に渉が続けた。 「Sクラス相当の成績が有るのならば、学校で有るが故に。 認めなければ、“差別”となるからねぇ」 「Sクラス編成の真実は、公表出来ねぇからなぁ。 さて、“代行殿”。如何する?」 「私達は、お前の判断に従うよ」 二人の父親は要へ笑顔を向けた。
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