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「「…確かに…」」
さっきまでの光景を鑑みるに、里に帰っても…
ああ、なるな…当然として。
「だったら、どうだい?
今年の盆に帰ってみては。
お前達の家に泊まらせれば、問題は無いだろうよ」
笑顔の渉叔父さん。
…この人が、そう言うなら大丈夫、だよな?
要の顔を見ると、苦笑しつつだが頷いた。
「そうっすね。
花火大会とか、縁日とか。
連れて行ってやりてぇな」
きっと、喜んでくれるだろう。
「ミィ、今年の盆は里に帰ろうよ。
んで夏祭り見に行こ?」
「はい。嬉しい…」
ボサボサになっちまった髪を、要に整えて貰ってるミィへ呼び掛けると…
黄土色の瞳に涙を滲ませ、喜んでくれた。
「浴衣を着て、縁日に行こう」
「はいっ」
要はやっとこさ整った髪を撫で、二人で嬉しそうにしていた…
あ~あ、盆が待ち遠しいぜ。
「は~やく、こいこい、おぼん~」
「「ブフッ…」」
ガキっぽく歌うと、周囲で聞いてた皆も含め晃や匡、そ・し・て。
中学、高校と“鉄仮面”みてぇに言われてた要まで。
吹き出して、笑い出した。
ミィも楽しそうに笑ってる。
ああ、良いなぁ…
こんなふうにさ、皆で笑っていられるなら。
俺、道化にでもなるぜ?
な、要…
これからはさ、こうして皆で…笑って過ごそうぜ。
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