毛布になりたい高柳

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 しばらくして佐藤さんは気合いを入れる日が訪れた。前回の反省を踏まえて服を新調して、化粧の仕方も変えていた。ダイエットや肌艶のチェックも欠かさなかった。髪はロングからショートボブにした。  さあ佐藤さん、今日こそはうまくいくといいね。前回の男は見る目がなかったんだよ。きっと今回は大丈夫。私は前回からより一層、佐藤さんのために体と心を支える毛布として頑張った。  佐藤さんは前回の失敗を気にして不安な表情を浮かべていたけど気持ちを切り替えて頑張っていこうとしているのが伝わった。佐藤さん頑張れー!  佐藤さんが出かけて夜になって帰ってくると、今まで見たことがない笑顔だった。やったー、成功だ。わーい、わーい。  佐藤さんは私にぎゅっとつかまると、胸の辺りに私を押し付けた。佐藤さんの心臓の音が聞こえる。どくん。どくん。とても速いけど心地良い音だった。  佐藤さんはその日ずっと笑顔で、時折、笑いが溢れていた。でれでれしている佐藤さんもいいなあ。  私はこれからも佐藤さんが苦しい時は苦しみを分かち合って、嬉しい時は一緒に喜びたい。私は毛布になって、とても幸せだと思いました。やったね!
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