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「キーワード、其の一。一年前に乗った緑色のバス。さて、どうかしら?」
微笑みから受ける彼女の印象は、まるで僕を試しているような目をしている。
……キーワード? バス? 何の余興だろう? クイズでもしようというのか? 随分変わった女性だ。
でも、こんな機会はきっと今後もないだろう。ちょっと話に乗っかってみるか。
女性に縁のない僕は、ここぞとばかりに自分を奮い立たせた。
バス……記憶の行方をたどる。あまり乗った覚えはないのだが。
バス……緑のバス……一年前……
いや、あれは……
あのことは関係あるのだろうか。
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