百物語

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   私たち、元6年3組女子15人全員が、ここ母校の小学校に集まった。  成人になり、その余興で百物語を教室で催すことになったからだ。  長丁場になるので、成人としての自己責任のもと、夜も特別に使用許可が下りた。  教室に入ると、そこは暗室のようだった。遮光カーテンがあるから、一筋の外光も入らない。  ただ、円形に並べられた100本のロウソクの灯がゆらゆらと妖しく輝いている。炎を持続させるために、ロウソクは小さい順になっていて、並んでいる炎はだんだん大きくなっていた。  その周辺を私たちが囲って座った。  ひそひそ声が聞こえる。 「あんな大きなロウソク初めて見た」 「ドキドキするね」 「やっぱり怖い~」 「終わったら、何かが出るんだって」  ゆらゆら ゆらゆら  私たちはだんだんと百の炎に見入り、心が奪われていった。
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