百物語

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「ふーー」  99番目の大きいロウソクの炎が消えた。  残りあと1本。  一際大きいロウソクは大部分が溶け出し、山型になっている。  ゆらゆらとまぶしいほどの強い光を誰もが見つめた。 「じゃあ、百話目いくよ。もう後戻りできないからね」  締めもやっぱり沙織だ。  静まり返った空間を透明感のある声が切り裂く。  1人の男の旅人が山で異界に入り込み、幽霊と遭遇する話。  最終話にふさわしく、ゾクゾクと背筋が凍った。
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