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くすくすと、イタズラぽく笑って由鈴が言い。
それにキョトンと、目を丸くした琳樹の顔を見て。 冗談が過ぎたかと彼が思ったと同時―――。
突然にパッと、花開くような明るい笑顔を浮かべ。 琳樹は飛び付くように、由鈴へと抱き付いた。
「うん! オレぜったいに、立派な竜の王になる!
由鈴の事、惚れさせるから!!」
「うわ・・・っ!?」
押し倒されるかと思いながら、何とか由鈴はその小さな身体を抱き止め。
それにホッとしたのも束の間―――・・・。 次の瞬間、唇を奪われていた。
「っ!!?」
「大好き! 由鈴!!」
そうしてまた、嬉しそうな明るい笑顔を浮かべた琳樹を見つめて―――。
現状を受け入れる、決意をしたのはいいが。 今更ながらに、少し早まってしまっただろうかと・・・。
こっそり、考えてしまった由鈴なのだった・・・。
第二章 《竜の聖印》
完
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