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俺の家から学校まで自転車で20分はかかる。
だるいなー…と思いながらも自転車をこぐ足は止めていない。そんな自分が俺は誇らしかった。
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「おはよー」
昇降口で上靴を履いて教室に入った。
普段はうるさく絡んでくるヤツらが今日は絡んでこないのが不思議だと思いつつも自分の席についた。
「おはようございます!」
座っている俺に向けてだろうか。誰かが挨拶した声がした。
いやいや、俺に挨拶する女子なんかいねーわと思いながらも気になって後ろを向いた。
一軍女子グループのリーダーの佐々木さんと目が合った。戸惑ってしまってサッと目を逸らすと彼女が近づいてきた。
「おはよう」
彼女がそう言って俺の机の上に手を置いた。
「え、ああ…佐々木さんおはよ」
動揺している俺を気にしていないように、佐々木さんは挨拶だけすると一軍女子グループのところに行ってしまった。
それを合図に先生が教室に入ってきた。
「みんなーおはよーー!」
俺のクラスの担任はノリがいい。だが天然な人なので、いつもなにか話す度に生徒に突っ込まれている。まあ面白いからなんでもいいんだけど…
翔はちゃんと自分のクラスに行けたかな…
俺がそう考えるのはあいつがいつも俺に纏わりつくからだ。しかし今日の朝は大丈夫だった。朝ドタバタしていたのに学校に着いてからそれが嘘のようだ。あいつも成長したなと思いながら担任の最高にイケてる面白いバカ話を聞いていた。
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