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「えっと……? ミヤさん、バトルって、鍋でどうやるんですか?」
「ここにボクが調合した闇の素と光の素がある。これで闇鍋と光鍋を作るんだ」
そう言ってミヤさんはキッチンから二本の瓶を持ってきた。片方には紫がかった黒い液体、もう片方には薄い黄色の澄んだ液体が入っている。ぱっと見はポン酢とサラダ油のようだ。
「まずボクとタカダくんで、どちらが闇か、光か決める。決まったら、鍋の素小さじ二杯と好きな調味料、具を入れて、鍋を火にかける。そうすると自動的に鍋世界が展開されるから、あとはワーッと勢いで。あ、鍋は一人用のが二つあるからそれ使おうね」
「勢いでって言われてもわかんないですよ! あと鍋世界って何ですか?」
「まぁまぁ、やってみたら全部わかるよ。日も暮れてきたし、夕飯にもちょうどいい。早速準備はじめよっか」
悠長な口調のわりに強引にことを進めるミヤさんに逆らえず、僕もキッチンに向かった。
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