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超絶普通の春の日だけど
俺は一晩中眠れなかったというのに、朝の通学路は昨日と変わらない日常風景で、当たり前といえば当たり前なんだけど、何だか拍子抜けする。
郊外の閑静な住宅街。通勤通学の人たちが駅へと歩く通りを横切り、俺は待ち合わせの公園へと向かった。
四月中旬。とっくに桜は散っている。街路樹の新緑は鮮やかだけれど、わざわざ目を留めるほどのものでもない。
一応、新年度であるからして、環境の変化にドキドキワクワクする人も多いのだろう。
しかし、高三になった俺には、特段新鮮な出来事はなかった。中学から大学までの私立エスカレーター校に通っているので、受験はないし、二年から三年に上がる今年はクラス替えもない。帰宅部なので引退もなく…。よって、いつものメンツといつも通りに過ごす春になる、はずだった。
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