超絶普通の春の日だけど

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「よっす、百合。今日の英単テスト、勉強したか?」 「したけど…匠海君、またヤマ当ててほしいって言うんじゃないでしょうね?」 困ったように微笑む百合を見て確信する。 うん、このままでいい。 …このままがいいんだ。 並んで歩く百合の学生鞄から、クマのマスコットがぽとりと落ちた。去年の彼女の誕生日に、俺がプレゼントした物だ。百合は昔から、クマのキャラクターやぬいぐるみが好きだったからな。 「百合、クマが落ちたぞ」 「あっ…」 俺が屈んで地面に転がるクマを拾おうとすると、慌てた様子の百合も膝を折って手を伸ばした。不意に、互いの指先が触れる。 「!」 俺は思わず緊張して、手をビクつかせてしまったが…百合のリアクションの方が大きかった。彼女はこっちが驚くくらいに、大げさに手を引いたのだ。 「あ、ごめん…百合?」 取りあえず謝って、クマを拾って差し出した俺は…百合の表情を見てもっと驚いた。 彼女は瞳を涙でいっぱいにして、顔を真っ赤にさせていたのだ。

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