消えちゃいましたね

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あっ。 「ごめんね、ちょっと電話に出るわね。」 並木さんに断りを入れて電話に出た。 「うん、大丈夫よ、ありがとう。 そっちも気をつけてね。 うん、じゃ、また何かあれば連絡する。」 私はその電話越しの声に何故かいつも以上に安心を覚えた。 「ご主人からですか?」 「えぇ。」 「優しいですね。」 「そう…かもしれないわね。」 「すみません、ちょっと羨ましくなっちゃいました。」 悪戯っぽく笑う彼女がたまらなく愛しくなって 抱きしめたくなった。 「あ、そうだ。ねぇ、並木さん。 私、今ちょうどカップラーメンのストックが 2個残ってるの。良かったら一緒に食べない? ガスと水道は止まってないはずだから。」 「えっと…良いんですか?」 「もちろんよ。」
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