2. デスパレートな男達

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今天、ニー来我家吃晩飯好馬(ジンティエン、ニィライウォジァチーワンハンハオマ)?』 (今日、うちで晩ご飯食べない?) 「―不用。我做工作、母親(プーヨゥ。ウォズォゴンズォ、ムーチン)」 (―行かない。仕事中なんだ。母さん) 仕事中に急にかかってきた電話に、ネイサンは苛々と答えた。ヤードの廊下で、周りの様子を伺いながら電話をかけるのはかなり気が引ける行為だ。 こんな所をボスに見られたらどうしようかと気が気ではないのに、母ときたら今晩息子が勝手に帰ってくると決めつけ、あげくにメニューの話までしてくる無神経さである。 さしものネイサンも本気でキレそうになった、その時だった。 「おー、いたいた!ネイサン!」 「…っ!!」 思わぬ救世主の登場に、ネイサンは心から安堵し適当な言い訳をつけて通話を切った。 「わ、悪りぃ…取り込み中だったか…?」 「いえ。大したことではありません。それより、どうかしました?」 スマホを胸ポケットに戻し、ネイサンは平静さを取り戻しながら向き直った。
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