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「―急にいなくなるからどうしたかと思ったぜ。アレックスとさっきまで事件の事で話してたんだけどよ…」
先輩刑事について後ろについてオフィスに戻りながら、ネイサンはかつて母からかけられた言葉が脳裏に蘇ってきた。
『…我喜歓斤ニー的談恋愛。ニー有女朋友馬?』
(…あなたの恋愛の事が聞きたいわ。だれか彼女はいないの?)
―心臓がドクドクと動く。言えるものなら、電話で言ってやりたかった。
【―我有。但是、我知道暗恋。順便一説、我的喜歓的人的男人、馬馬。】
(―いるよ。だけどこれが片想いだってとっくに分かってる。ついでに言えば、私が想っているその相手は男だよ。母さん)
「―どうしたよ?シケた面して?何かあったか?話なら聞くぜ?」
ネイサンの複雑すぎる心情など知らない和樹が後輩の肩を軽く叩く。
その屈託のない笑顔に、思わず泣きそうになった。
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