4. 危機

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二人は路地を歩いていた。今日はバスで来たため、バス停まで少し歩かなければならない。 「すっごく素敵な人でしたね、マギーさん。美人で料理も上手で優しくて」 「…その代わり、キレたらすげえ怖ぇけどな。一回法廷で相手側の弁護士とやりあってるのを見てびびったよ」 「そ、そうなんだ…」 法廷に立っている時のマギーとキッチンに立っている時の彼女が結びつかないだろうな、と智樹は密かに思った。 「そうそう、今度みんなでパンケーキ食べに行こうって言ってるんですよ!リージェンツストリートまで!」 「は?今日クレープ食ったばっかだろ。お前太るぞ」 呆れたようにそう言った智樹の背中を、彩が思い切り叩いた。
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