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「せっかくノッティング・ヒルまで買い物に行こうと思ってたのに。まさか車出しさせられる羽目になるなんてな」
車を走らせながら、ネイサンは溜息を着いた。久々の休日にゆっくり買い物をするはずが、母に呼び出されるとは夢にも思わなかった。
どうやら、本土から来た友人が、高級ホテルでパンケーキを食べてみたいと言ったのを聞いて、フィッシュ・アンド・チップスから切り替えたらしい。
「パンケーキか…そう言えばミシェルも話してたな」
*
「―Tomo, your mini cooper is disaster, isn’t it?」
(―トモ、君のミニ・クーパーは災難だったね?)
「Yes! It is bloody bad taste! The car is fixing now.」
(ああ、本当にタチが悪い!今修理に出してるけどよ)
ある朗らかな土曜日の午後、智樹は同僚のエドワード・アシュレイと一緒にオックスフォード大学の敷地内を歩いていた。
大学の敷地内は広く、美しい緑の芝生に覆われた中庭の向こうに大ホールがあり、智樹がよく調べ物をするボドリアン図書館や学生たちが共同生活をするカレッジが存在する。
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