君はこの世界に存在する人間は、本当は自分一人なんじゃないかと思ったことはないかい？

今であり5年前のあの日

　そんな陰気で気持ち悪い奴に、美少女がくっついてたら目立ちすぎるだろ！
　なんで俺なんだよ？
　なんで俺の考えてることがわかったんだよ？

　京太郎は聞こえないふりをして歩いていたが、璃々が前に回り込んで見上げてくる。
　「やっぱり思ってるんだな、京太郎！」
　「だっ、だから何だって言うんだよっ」
　それに、今日会ったばかりで京太郎って…
　そう思っても、健康な中三男子が美少女の眩しい笑顔の破壊力に勝てるはずもない。

　そんな感じ、出会った日からそんな感じだったんだ。