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三日後の日曜日の夜、寝る支度をしていた咲登子のスマホが振動した。亜未だろうかと思いつつ、枕元のそれへと手を伸ばす。
しかし、予想とは反して画面に浮かぶ送り主の名前──KIRIYAの文字に胸が騒いだ。
震える指でメッセージを開く。
[ごめん、明日一緒に帰れなくなった]
それを見るなり、少しだけホッとする。下手に意識をしなければ良いのだろうが、そこまで出来た人間ではない。むしろ拗らせている分、厄介だろう。
[大丈夫、気にしないでね。お休み]
それだけ返すと、横になった。明日は久々に図書館へ寄らずに帰ろうと思いながら、布団を深く被る。
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