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目は覚めていないが、ほのかな土の温かみを感じる。僕は深い眠りに着く。
5日後──。
久々に目を覚ますと、雨が降っていた。
それ以外、前回と変わらない。大きな木々と生い茂った草。
(空気が美味しい!雨、気持ちいい!人間の時はそんな事、1度も思わなかったのに。よし、今度はどんどん成長するぞ!)
そう意気込んだ矢先、僕の視界は真っ暗になった──。
ピロン♪
『猛毒を習得しました。』
✱
目を覚ます。真っ白い部屋。
知らない女性が目の前に座っていた。
「おはようございます。この度はご愁傷さまでした。せっかく転生したのにすぐにお亡くなりになってしまい、本当に気の毒に思います。」
どこかで聞いたセリフ。でも、前とは全然違う気がする。
「私は貴方の人生を導く女神。よろしくお願い致します。」
とても丁寧で優しい!しかも、きょにゅ…んん、僕は最後に思った言葉を慌ててかき消した。
「早速ですが、次は何になりたいですか?
何でも、言ってください。」
「あの、ある程度なれるものって、決まってるんじゃないでしたっけ?」
女神様は僕に近づいて、耳元でそっと呟いた。
「2人だけの、ひ・み・つ♡」
あざとい!!あぁ!!なんだこのアニメでありそうな展開は!僕は今までゲームでしかこんな体験ないのに!!うっ、鼻血が…!
そう思っていると、女神様はくすりと笑った。
「そんなに顔を赤くして、君って可愛い。ますますお姉さん、いじめたくなっちゃいます。」
「僕で遊ばないでください!」
「それで、何になりたいですか?」
「僕、今度はどうやって死にましたか?」
「えっと…。野生の魔物に食べられて。」
「じゃあ、また、草でお願いします。」
「え、他はいいんですか?」
「スキル、まだ、使えてないんで。もしかして、無くなっちゃいました?」
「無くなってませんよ。むしろ、猛毒というスキルも増えたみたいです。」
「それは良かった。それなら変わらず、そのままで。」
「そうですか。わかりました。
次は、長く生きられるといいですね。応援しています。」
笑顔で女神様はそういうと、呪文を唱え始めた。僕の視界は真っ白になっていく。
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