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「遅れてごめん!待った、よね?」
「もう〜。20分も遅刻だよ?せっかくの…なんて、私が言うわけないじゃない。確かに待ったけど、私も5分遅刻したから、実際はそんなに待ってないわ。」
息を切らして謝る彼。
それを見越してからかう私。
「家を出た時、スマホさえ忘れなければこんなことには…とりあえず、咲良が怒ってなくてホント良かったわ。」
ごめんのポーズで顔を上げた彼は、少しほっとしたような表情をしていた。
なんか…むかつく。
「やっぱりダメ。遅刻は遅刻。これから行くところ全部奢りね。」
「えマジで?!そ、そりゃ勘弁してよ咲良さ〜ん。」
再び、眉間に皺を寄せた彼を、意気揚々と置いてきぼりにして歩き出す。
「ほら、突っ立ってないで早く行くよ。」
振り向きざまに
ワンピースのスカートを翻し
私史上、とびきりの笑顔を彼にお見舞いする。
今日は、いい天気だ。
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